悪人

誰が本当の"悪人"なのか?
公式サイト
予告見た時から気になってて、まず原作を読んだ。
休みをとってレディースデーの午前中に映画館へ。2人連れの主婦らしき人が多かったです。予告編上映中とエンドロール途中でのおしゃべりが耳障り。

"悪人"がいっぱい出てくる。
出会い系サイトで知り合った男の人とすぐにやっちゃう保険外交員。
人気のない山道に女の子を置き去りにするおぼっちゃま大学生。
お葬式の日に陰で噂話する親戚の人たち。お年寄りを脅して高額な商品売りつける人。裕一の祖母を取り囲むマスコミ。
"殺人"という罪を犯してしまった祐一だけが本当の"悪人"なのか?
でも加害者にも被害者にも家族とか大切な人はいるわけで、自分が被害者側だったら、どんな理由があっても犯人は憎いと思うだろうし、加害者側だったら、「何か理由があったから」って思うんだろうなぁ。
深津絵里さんの演技はもちろん、祖母役の樹木希林さんの演技がキラリと光ってました。妻夫木くんの「死んだような目」が「人を大切に思う目」に変わって行くところもよかった。どんな理由があっても人を殺めるのは"悪"なんだろうけど、祐一のとった行動は、"言葉の暴力"から自分や家族を守ろうとした「正当防衛」とも思える。
原作を裏切らない作品だったけど、祐一が自分を捨てた母親に「お金をもらう理由」が描かれていないのが残念。逮捕されるときに光代の首をしめる理由に繋がっているのに。