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京都シネマ上映初日。
13時20分上映のチケットを買うため、9時半頃自転車で出発。整理券番号1ケタのチケットを手に入れて、一旦家に帰っておひるご飯食べてから出発。今日は四条烏丸まで2往復。いい運動になりました。
上映期間中、ナデリ監督が来館されるというニュースを見たけど、時間とは知らされてなくて、上映が終わった後、ロビーでお目にかかれるかも、、、と思ってたら、上映前にナデリ監督の舞台挨拶がありました。(通訳はプロデューサーのエリック・ニアリさん)10分前に京都に着いてすぐ京都シネマに来てくださったそうです。
「西島さんも京都は好きな街だって言ってた」ってリップサービスもあったりして。



本編始まった時から漂う緊張感。それがずっと最後まで続いて、観終わった後すごい疲労感。心拍数あがりっぱなしです。
秀二を演じる西島秀俊さん、笑ったシーンは1回だけで、あとはずっと怒ってる。自分を責めている。戦っている。借金と、映画をダメにした社会と。そして借金を返して、映画を作るためにひたすら殴られる。
ビルの屋上で上映される古き良き時代の映画。サイレント映画を観て笑ってるお客さんを見て一緒に笑ってる秀二の笑顔はとてもうれしそうだった。
映画音楽という演出はなくて、ありのままの音しか聞こえない。映画を観てて音楽にひっぱられる感情ってあると思うけど、それがないから、目で見たことと、演じる人の声だけがすべてで、直球ずっと受け続けるの大変だった。

目を覆いたくなるようなシーンばっかりだったけど、きれいなシーンもたくさんありあった。
私が好きなのは、溝口監督のお墓に刻まれた作品名を傷だらけの手でなぞるシーン。それから殴られてボロボロになった体で横たわる秀二の体がスクリーンとなって、彼が愛する映画が映し出されるシーン。映像が傷を癒しているようでとても幻想的だった。

クライマックスの秀二が100発殴られて100本の映画のタイトルと監督名がカットインするところ。
目をそらしちゃダメって私も必死で気が付いたら涙が出てた。感動とか悲しいとか、そういう理由じゃなくて、圧倒されたってことかな。
最後、無音のエンドロールも初体験で、なんかもう最後の最後まで気持張り詰めてた。
西島くんが出てなかったら観なかった映画かもしれない。西島くんとナデリ監督の運命の出会いのおかげで出会えた映画。

上映後、ナデリ監督がまた出てきてくれて、お客さんから質問を受けて答えるという交流が。
私がいいと思った溝口監督のお墓のシーンはナデリ監督も印象に残っているそうです。それから、常盤貴子さんの役は″女性″としてではなく、少年のようなネズミとしての存在感を出したかったそうです。

この後、ロビーでサイン会。パンフレットにサインしてもらって一緒に写真撮ってもらった。で、写真と一緒に感想送ってくださいと、パンフの別のページにメールアドレスを書く監督。(日本語でも翻訳してもらうから大丈夫だって。)